
今回補修してきたのは、
ガッツリ割れている大理石テーブルです。
どうしてこんな割れたんだろう?
って感じでかなり割れていますね。
補修のお見積りをした際に2パターンの補修工程を提案させていただきました。
簡易補修で全塗装で艶調整はせずに、
部分補修でぼかし塗装をする安価パターンと
全塗装して、鏡面磨きをするパターンです。
で、ご依頼いただいたのは、
とりあえず割れ部分を補修してくれたらいい。
ということで安価なパターンで補修することになりました。
今回、ご依頼いただいたお客様のオフィス内で作業する形になりましたので、
1人では難しいと判断し、2人で作業させていただくことになりました。
実際に現物を見たら
思っていた以上に割れがひどい。。
あと破片はあるんですが合わせても段差が出て、
ちゃんと合わない。。
この破片は使いたいので、
まずはこの破片を合わせたときに段差、ズレが出ないように、
ルーターで削っていきます。
2人がかりで作業しましたが、これがかなり時間がかかるんです。
ピッタリは合わないのである程度まで削って、
充填剤で段差を調整できる程度まで削るんですが、
これだけで、多分半日以上は使いましたね。
(逆にここの作業を妥協すると、平らな面が出なくて
後で後悔するのでここでちゃんと処理しておきます。)
ようやく段差が気にならない程度まで削ることができたので、
接着材で圧着します。
大理石自体がかなり重いので、
2人がかりで全部の破片を一気に接着していきます。
(破片がずれて接着しないいように結構スピード勝負です)
結構てんやわんやしながらも、(笑)
なんとかかんとか、接着できたので、
割れ部分の補修に移ります。
接着した状態のままだと、充填剤を入れてもちゃんと面が出ないのと
再度割れてしまう恐れがあるので、
割れ口を”すり鉢状”になるように斜めに削ることで、
充填剤が食いつく範囲を広げておきます。
次は透明で強度もあり、研磨して面を出すことができる充填剤として
「アルテコ」という接着剤をし使用しました。
アルテコは元々接着剤ですが、パテ替わりに使うことも多く、
今回は黒系の大理石ということもあるので、
アルテコに色を混ぜて黒くした状態で割れ部分に入れていきます。
(この時混ぜる色はステインを使用しました。ウレタンなどの樹脂が入っているものを入れてしまうと硬化不良を起こしてしまいます。)
それで、そのアルテコを入れては削り、入れては削りを繰り返して面を出していきます。
(ちょっとごちゃごちゃしてますけど。(笑))
時間短縮のためサンダーを使用してガリガリ削っていきました。
結構大胆に削ってて驚きましたか?
なんとかかんとか面が出たところで、
次は模様を再現するのと、下地の色を合わせていく作業です。
大理石の黒色に調色した色と、模様の白?グレー?に合わせた色を用意して塗装していきます。
この模様を再現するのが大変でした。。。
非常に不規則な模様で、変に再現しようとすると人工感が出て
自然な模様が再現できないのでかなり違和感が出てしまいます。
どうしようかと悩んだんですが、
最終的には”筆”と”スプレーガン”でできるだけ模様を再現しました。
筆で描くときも、違和感が出ない場所にてきとーに色をのせていき、
スプレーガンでは、口径とエアーを絞って、細いラインやもやっとした模様を入れていきます。
(これが結構難しい。)
筆で叩いて模様を再現していました。
クリヤーを吹く前の状態
↓↓↓
いい感じに模様が出ていませんか?
それで今回は部分補修でぼかし塗装で対応する形
だったんですが、、
現場のお客様のご要望で、
「こんなにキレイになるなら艶を上げてほしい」
と言われましたので、急遽作業を変更して
後日の鏡面磨きはしないですが、クリヤーの全塗装で
ピカピカに艶を上げることになりました。
2、3度クリヤーを重ねていき
(オフィス内なので、ビニール養生でドーム型にして塗料が周りに飛ばないようにしていたのですが、
中で塗装している僕たちは防毒マスクをしていても、やばかったです。(^^;)
こんな感じになりました。
どうしても補修の限界で多少模様の違和感は出てしまいましたが、
ズレや段差もなく、ぴかぴっかでキレイになったと思います。
お客様を大変喜んでおられました。
(ガッツリ全塗装をするときは、かなり危険なので防毒マスクと適度な休憩は必須ですね。)